そんな時代に情報発信をするにはWebサイトが必要で、Webサイトを制作するためには専用のHTML言語を習得する必要がありました。
書籍だけでなくインターネットにもHTMLを学べるコンテンツはさまざまありましたが、中でももっとも多くの人が参照したであろうサイトが「とほほのWWW入門」。Webサイト制作に関する膨大な情報がきれいに整理されており、素人でも分かりやすくHTMLについて学習できる「先生」のような存在です。
とほほのWWW入門は1996年に開設されましたが、26年たった今も健在です。現在でもコンテンツは精力的に更新されており、HTMLに限らずあらゆるWeb技術を網羅しています。
ユニークなのは「番外編」として、管理人である杜甫々(とほほ)さんの趣味や学びに関するコンテンツも掲載されていること。陶磁器や洋楽、仏教、資産運用、広島ラーメン……など、「HTML入門」と同じように膨大な情報が見やすく整理されています。
現在、60歳を目前に控えている杜甫々さん。年齢を重ねてもモチベーション高く学び、楽しみながら情報発信する原動力はどこからくるのでしょうか。
杜甫々(とほほ)さん
1960年代生まれ。大学卒業後、広島でソフトウェア会社に勤務。勤務の傍ら、1996年からWebに関する技術情報を紹介する「とほほのWWW入門」を開設。たまに中断しながらも、かれこれ25年以上、趣味の一つとして継続している。著書に「すぐひける・よくわかるHTMLハンドブック」、「CGI&Perl究極のレシピ350」。
──杜甫々さんは、1996年に「とほほのWWW入門」を開設されました。そもそものサイト開設のきっかけは何だったのでしょうか。
杜甫々さん(以下、杜甫々)
私がインターネット自体に触れたのは1988年のことです。会社に入って、たまたま配属されたのがインターネット関係の研究所でした。そこでインターネットの研究を行っていたのですが、そのときはまだWebというものは存在していませんでした。何年かたって「Webというものがはやっているらしいぞ」という話を耳にするようになったので「やってみようかな」と思ってWebサイト制作に取り組みました。
ただ、当時はまだWebサイト制作に関する日本語の情報があまりなかったんです。仕方なく英語のサイトを見て学んだりしていたのですが、どうせならもう自分で情報を整理しようと思い立ちました。そして、情報を整理したんだし、せっかくならWebに載せてしまおうという感じで立ち上げたのがとほほのWWW入門だったんです。
──綿密に計算してサイトを開設したというよりは、「せっかくだからやってみよう」くらいの感覚だったのですね。
杜甫々
そうなんです。だから、別にとほほのWWW入門だけをやるつもりもなかったんですよ。当時は妻がペイントブラシで描いた絵とか、家庭内で起きたよもやま話とか、いろいろなコンテンツを載せていて、WWW入門はその中の一つという位置付けだったんです。
以下ソース
https://kaigo.homes.co.jp/tayorini/interview/tohoho/